2019年9月28日(土)

岡室美奈子 (おかむろみなこ)​

<プロフィール>

早稲田大学文学学術院教授、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館館長。

文学博士(国立アイルランド大学ダブリン校(UCD))。

ベケットを中心に、現代演劇論とテレビドラマ論を専門とする。共編著に『ベケット大全』(白水社)、『サミュエル・ベケット――これからの批評』『ベケットを見る八つの方法―批評のボーダレス』『六〇年代演劇再考』(ともに水声社)、Samuel Beckett Today /  Aujourd’hui : Borderless Beckett / Beckett Sans Frontières (Rodopi)、Ireland on Stage : Beckett and After (Carysfort Press)、『日本戯曲大事典』(白水社)など。訳書に『新訳ベケット戯曲全集1 ゴドーを待ちながら/勝負の終わり』、共訳書に『ベケット伝(上・下)』、『新訳ベケット戯曲全集2 ハッピー・デイズ/実験演劇集』(ともに白水社)。現在、『新訳ベケット戯曲全集3』(共訳)を準備中。

 「何やってもダメ」――新訳『ゴドーを待ちながら』の冒頭のせりふである(ちなみに旧訳では「どうにもならん」と訳されている)。『ゴドー』はいきなり敗北宣言から始まる、負け続ける者たちの劇なのだ。ウラジミールとエストラゴンのふたりは、仕事も家も家族もろくな食べ物もない、いわばホームレスだ。自殺すら失敗して本当に何をやってもダメな状況で、ゴドーの到来に最後の希望をつなぎ、今日もまた肩を寄せ合ってバカバカしい一日をやり過ごす。だから『ゴドー』は切なくておかしくてそして愛のある劇なのだと思う。

 新訳で目指したのは、「難解な不条理劇」、「無と絶望の劇」といった重々しい解釈から自由なわかりやすい『ゴドー』、今を生きる私たちにとって(もちろん若い人たちにも)リアルな『ゴドー』である。そのためにどんな工夫をしたか、さらに、東日本大震災後の日本の『ゴドー』についてもお話できればと思っている。

(​岡室美奈子)

​美術のおまけ

開催日時

2019年9月28日 土曜日 18時開演(17時開場)

ゆっくり展示美術をご覧いただけるよう、1時間前の開場です。

多数の予約お申込みをいただきました。

予約受付を締め切らせていただきます。

ありがとうございました。