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2019年1月13日(日)

風間賢二(かざま・けんじ)


1953年、東京都生まれの英米文学翻訳家にして研究者にしてアンソロジスト。
首都大学東京、明治大学、青山学院大学で教鞭もとっている。
1998年、『ホラー小説大全』で第51回日本推理作家協会賞評論その他の部門を受賞。


本好きの人なら誰でもそうだと思うんですが、恩師っていうのは実際に教えを受けた
小中高大学の教師だけを指すのではなく、ブッキッシュな世界にも存在したりするわけです。わたしにもそうした“恩師”が数人いて、その一人が風間賢二さんなんです。
風間さんは大学卒業後、早川書房に勤務していた時代があるのですが、その頃に編集を担当したファンタジー作品や、企画した「モダンホラー・セレクション」シリーズは、刊行を首を長くして待ちわびたものです。
しかし、「この人はわたしの先生」と思い定めたのは、やはり評論集によってでした。
1993年に自由国民社が立ち上げた「読書の冒険」シリーズ、その1冊目の配本となった『ダンスする文学』。〈ぼくは、基本的に文学は知的ゲームの一種──遊びだと思っている〉という考えのもと、80年代アメリカ文学やポストモダン文学、ニュー・ゴシック&アンチ・ミステリ、モダンホラー、モダンファンタジー、日本の小説、評論と、融通無碍にジャンルを横断し、一見関係のなさそうなもの同士を結びつけ、頭よさげに見せる難解な文章ではなく、平易で軽やかな文体をもって読者にこれまでとは違う視点を与える論の数々に、興奮&感服。
『快楽読書倶楽部』(創拓社)、『スティーヴン・キング 恐怖の愉しみ』(筑摩書房)、『ホラー小説大全』(角川書店)、『ジャンク・フィクションワールド』(新書館)などの著作で、英米文学の幅広い知識と、読みこなすためのたくさんのヒントを、わたしはこの先生から分けていただきました。
スティーヴン・キングやディーン・R・クーンツのような人気作家作品から、カレン・テイ・ヤマシタの『熱帯雨林に彼方へ』(白水社)やジョン・アップダイクの『終焉』(青山出版社)などの文学作品まで翻訳も多数。
特筆すべきは、テレビドラマ化されたアメリカのグラフィック・ノベル『ザ・ウォーキング・デッド』の訳出です(現在も継続中)。朗読会でも、ゾンビにまつわる文化的な考察を披露していただけるに相違ありません。
今回、風間さんが朗読してくださるのは最新の訳書、キャサリン・スプーナーの評論集『コンテンポラリー・ゴシック』(水声社)です。手を替え品を替え、世界に遍在し続けてきた不死の様式「ゴシック」。その魅力を余すところなく考察した絶好の入門書になっています。この本を踏切台に、スティーヴン・キングやアンジェラ・カーター、パトリック・マグラアといったニュー・ゴシックの作家の話もうかがえることになっています。風間さんの知見の一端の触れることができる一時間半になること請け合いです。(文責・豊崎由美)

​美術のおまけ

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開催日時

2019年1月13日 日曜日 18時開演(17時開場)

ゆっくり展示美術をご覧いただけるよう、1時間前の開場です。

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