
萩原健太
80年代日本のポップス・クロニクル
を語る
2018年11月24日(土)

いきなり古い話で申し訳ないのですが。1981年10月17日付のオリコン・シングル・チャートを初めて目にした瞬間に覚えた興奮はいまだ忘れられません。
2位が松田聖子「風立ちぬ」。3位がイモ欽トリオ「ハイスクルーララバイ」。その作詞・作曲者欄に目をやると、松本隆、大瀧詠一、細野晴臣という名前が並んでいました。少し順位は下がるものの、同週の51位、岩崎良美「ごめんねダーリン」の編曲者欄には鈴木茂の名前も…。69年に結成、70年にレコード・デビュー、たった3枚のアルバムを残しただけで73年に解散してしまった、はっぴいえんどのオリジナル・メンバー4人が、形を変えながら81年のヒットチャート上にずらり勢揃いしていたのでした。
70年代初頭には、まだまだ一部の熱心な音楽ファンのみが知る超マイナーな存在だったはっぴいえんどが、10数年の歳月を経て、いつしか日本のメジャーなポップ・シーン最前線を牛耳るようになっていたという胸のすくような事実。この、ある種の逆転劇がもたらした、なんとも痛快な興奮とともにぼくの80年代はスタートしました。
そんな時代の記憶のあれこれを、ぼくなりに綴らせてもらったのがこのほど出した新刊本『80年代 日本のポップス・クロニクル』です。佐野元春、沢田研二、大瀧詠一、RCサクセション、オフコース、山下達郎、松田聖子、甲斐バンド、井上陽水、YMO、サザン・オールスターズなどが80年から85年にかけてリリースした名作アルバムをテーマに、70年代から80年代へという流れの中、日本のポップ・シーンで何がどのように変質していったのかを、ごく個人的な視点から検証してみた1冊なのですが。
その本をサカナに、「本の場所」という小さいけれど居心地のいい素敵な空間で、多彩な名曲たちに次々と耳を傾け、あの時代の混沌とした空気感、高揚感をみなさんとともに追体験したいと思っています。11月24日、ぜひ一緒に楽しみましょう!
萩原健太
美術のおまけ

開催日時
2018年11月24日 土曜日 18時開演(17時開場)
ゆっくり展示美術をご覧いただけるよう、1時間前の開場です。
お知らせ
多数の予約お申込みをいただきました。
予約受付を締め切らせていただきます。
ありがとうございました。