
「飛行士と東京の雨の森」
西崎憲
朗読会
2018年3月18日(日)

西崎憲(にしざき・けん)
1955年、青森県つがる市生まれ。
1873年、高校卒業後、ミュージシャンになりたくて上京。
20代後半に、一緒にバンドをやっていたメンバーが音楽ディレクターになり、その伝手でおニャン子クラブの曲を作りはじめ、1985年に作曲を担当した、うしろゆびさされ組「女学生の決意」(秋元康作詞)がヒット。
一方で英米の幻想文学や恐怖小説を愛読し、あまり訳されていない作家の作品を読むために27歳にして独学で英語を学び、1992年、自ら企画を持ち込んだアンソロジー『怪奇小説の世紀』3冊を国書刊行会から刊行。
以降、『英国短篇小説の愉しみ』シリーズや『淑やかな悪夢 英米女流怪談集』、『短篇小説日和』などのアンソロジー、『ヴァージニア・ウルフ短篇集』やチェスタトン『四人の申し分なき重罪人』、ジーン・ウルフ『ピース』といった訳書は、30冊近くにのぼる。
2002年、『世界の果ての庭』で第14回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、作家としてもデビュー。最新刊は『飛行士と東京の雨の森』。
2015年、日本翻訳大賞を創設し、自ら選考委員に。
マルチタレント(万能才能)という言葉は、西崎憲さんのためにある。以上記した、ざくっとした略歴だけでもその八面六臂の活躍ぶりに驚くというのに、POPバンド「swisscamera」のメンバーとしてアルバム『酸素と丘とレンズ』を発表したり(http://startripmusic.com/2016/09/04/swiss-camera-2/)、「フラワーしげる」の名で短歌を作ったり、書肆侃侃房から発行されている文芸誌「たべるのがおそい」の編集長を務めるなど、およそ一人の人生では考えられないほど多種多様な仕事を嬉々としてこなす一方で、文系フットサルを主催して楽しんでもいるのだ。
なぜそんなことが可能かといえば、つまり「嬉々として」だからなのだろう。端から見ていると、西崎憲という人の精神にはリミッターがない。凡人が「いまさら英語を勉強したって……」「音楽は好きだけど、才能が……」「こんなことしても、収入的には見返りが……」と思うところを、西崎さんは「やりたいんだから、やってみる」「即やってみる」のだ。そして、そのすべてを「嬉々として」楽しんでみせるのだ。
そんな「遊びをせんとや生まれけむ」の典型的人物である西崎さんが、いよいよ本の場所に登壇。どんな朗読をして、どんなお喋りをしてくれるのか。そのマルチな才能の一端に生で触れることができる1時間半になるはずだ。 (文責・豊崎由美)
美術のおまけ

開催日時
2018年3月18日 日曜日 18時開演(17時開場)