山内マリコ「あのこは貴族」朗読会 

2017.7.15(土)

山内マリコ(やまうちまりこ)

1980 年、富山県富山市生まれ。

2008 年、短篇「十六歳はセックスの齢」で第7回R-18 文学賞の読者賞を受賞。

2012 年、同短篇を含む連作短篇集『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)を刊行。

話題を呼ぶ。

その他の主な著書に、映画化もされた『アズミ・ハルコは行方不明』(幻冬舎)、

『さみしくなったら名前を呼んで』(幻冬舎)、『パリ行ったことないの』(CCC

メディアハウス)、『かわいい結婚』(講談社)、『東京23 話』(ポプラ社)、

『あのこは貴族』(集英社)がある。

幹線道路の両サイドに、ブックオフやら東京靴流通センターやら洋服の青山

やらダイソーといったチェーン店が建ち並ぶ地方都市。そこから上京し、夢破

れて帰ってきた女の子、いったんは東京で雑誌の専属モデルをするほどだった

のに落ちぶれて戻ってきたかつての町一番の美少女といった、田舎町でくすん

でしまっている女子のあれこれを、きれいごと一切抜きのさばさばと軽快な文

体で描いた『ここは退屈迎えに来て』。

尋ね人の貼り紙にあった安曇春子の顔と「MISSING」の文字をグラフティア

ートに仕上げて、街中にペイントして回るユキオと学。それが話題になり、ネ

ットでも拡散されていくようになった同時期に出没するようになった少女ギャ

ング団。安曇春子はなぜ28 歳で突如失踪してしまったのか。その謎に多角的な

視点から迫る『アズミ・ハルコは行方不明』。

地方都市に生まれ育った、あるいは大学進学などでいったんは都会に出たも

のの郷里に戻らざるをえなくなった。そんな境遇にある若者の閉塞感を描いた

この2作で一躍人気作家になった山内マリコだが、そういう題材を扱った小説

ならこれまでも数多く存在したのだから、決して目新しくはない。にもかかわ

らず、山内マリコの作品が話題になり、支持されたのはその表現方法による。

描かれているのが鬱屈であったり、諦観であったり、倦怠であっても、物語る

声はどこまでもポップなのだ。

とはいえ、この作家を紹介する際に必ずといっていいほどつきまとってきた、

そうした「地方都市云々」の惹句も、実はもう古い。映画評に、エッセイにと、

小説以外のジャンルでも健筆をふるう山内マリコの書きたい対象はすでに地方

在住の若者にはとどまらず、文体もトーンの幅を広げている真っ最中なのであ

る。今後、さまざまな文学賞にもノミネート必至、成長一途の作家のこれが初

めての自作朗読会。聞き逃す手はない。 文責•豊崎由美

美術のおまけ

開催日時

2017年7月15日 土曜日 18時開演(17時00分開場)

ゆっくり展示美術をご覧いただけるよう、1時間前の開場です。