
「新潮社校閲部が語る、校閲という仕事」
語り手・井上孝夫、飯島秀一
2017.2.4(土)


井上孝夫(いのうえ・たかお)
○1954年2月生まれ。神奈川県相模原市出身。
東京大学文学部言語学科卒。1976年、新潮社入社。校閲部に配属され、以後40年間校閲畑を歩む。
雑誌(「小説新潮」「新潮」「芸術新潮」「03」「Foresight」「週刊新潮」)、単行本、文庫本等各種の出版物の校閲を担当。
2014年まで校閲部長を務める。
大学ではイタリア語を中心として諸言語を学び、社会人になって以降も趣味として、および仕事上の必要性のため、
自前の方法論で世界の諸言語の学習および読書を続ける。
それについては拙著『世界中の言語を楽しく学ぶ』(新潮新書)に述べている。
大学在学中に見た古い日本映画に衝撃を受け、その影響で、子供のころより好きだったイラスト・マンガを再開する。
アマチュアの漫画賞等をいくつか受賞。文章(言葉)とイラスト・マンガ(絵)との融合表現が現在の最大の関心事。
『その日本語、ヨロシイですか?』(新潮社)では多少その実験も試みた。小津安二郎と高峰秀子を敬愛している。
漫画家ではこうの史代のファン。
飯島秀一(いいじま・しゅういち)
○1960年生まれ。東京都出身。
早稲田大学第一文学部日本史学科卒。1987年、新潮社入社。入社以来校閲部に属し、
「新潮45」「新潮」の雑誌、辞典、単行本の校閲を担当。2014年より校閲部長(書籍部門担当)。
皆さんが読んでいる本に、いくつも誤植や事実の誤りが見つかったら……。
読書の興趣は削がれ、その本に対する信頼性は失われてしまいますよね。
著者の意図するところが、そのままストレートに読者に届くよう、私たち新潮社校閲部は、ゲラと呼ばれる試し刷りを日々読み込んでいます。
その昔ワープロが普及する以前、原稿は手書きで、その原稿を一字一句忠実にゲラに再現することが私たちの主たる仕事でした。
原稿がデータ化され、今まで仕事の大半を占めていた原稿合せという照合作業が省力化されるようになると、記述の事実確認を含めた
素読みという読み込み作業がより重要になってきました。とはいえ、専門的な領域のことになると、私たちは門外漢です。
それでも事典類やインターネットを駆使して調べ、いわば「素人のプロ集団」として、確認作業をし、疑問出しをしています。
校閲という仕事に、試験の答えのようなこれが正解という絶対的なものはありません。恐らく校閲者一人ひとりが、日々冷や汗を搔きながら
仕事をしていることと思います。そんなことも含め、校閲という仕事についてお話ししてみたいと思います。
開催日時
2017年2月4日 土曜日 18時開演(17時30分開場)
今回は資料画像映写がありますので、美術のおまけはございません
お知らせ
「新潮社校閲部が語る、校閲という仕事」語り手・井上孝夫、飯島秀一、多数の予約お申込みをいただきました。予約受付を締め切らせていただきます。
ありがとうございました。
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