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  平出隆が語る・川崎長太郎という天使

2016.12.3(土)

川崎千代子氏蔵

平出隆

1950年、福岡県門司市に生まれる。

一橋大学在学中から、「書紀」「書紀=紀」などにより詩人として活動。

1982年の詩集『胡桃の戦意のために』により芸術選奨文部大臣新人賞。

散文家としても著作が多く、2004年、『伊良子清白』により芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

現在、多摩美術大学教授。

2010年、独自のデザイン、印刷、造本による《via wwalnuts叢書》を創刊。

川崎長太郎に学んだという小説『猫の客』(2001年)が国際的なベストセラーとなる。

川崎長太郎は私小説一筋に生きた作家です。私小説は日本の近代が

生んだ特殊な文学形式といわれ、その功罪も語られてきました。

けれども、川崎長太郎を読んでいるとその腰のすわった日本語が、

時を超えて普遍的なものに、あるいは世界各地の人間の真実につな

がるのではないか、と思えてきてなりません。私小説というキー

ワードだけでは解き明かせないということです。

私は作家最晩年の七年間を担当編集者として接した者で、同時に

書き手として、人間と作品との双方から、その精髄を吸収する時間

を過しました。そうして目撃していた現場から、いつかしら自然に

「天使」という言葉が口をついて出てくるようになりました。

もし天使というものが現代の日本にもいるならば、このような姿

をして、しかも彼らの世界的ネットワークから、ちょっとはぐれた

ようにして存在するのではないか。かつて抱き、いまも深めている

そんな直観を裏づけるお話を、少し試みてみたいと思っています。

開催日時

2016年12月3日 土曜日 18時開演(17時30分開場)

今回は資料映写がありますので、美術のおまけはございません

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