佐藤亜紀「吸血鬼」朗読会

2016.7.16(土)

佐藤亜紀

1962年、新潟県生まれの小説家。
1991年、『バルタザールの遍歴』で第3回日本ファンタジーノベル大賞を受賞して、作家デビュー。
2002年、第53回芸術選奨新人賞を受賞。
2007年に刊行した『ミノタウロス』で第29回吉川英治文学新人賞を受賞。

「なんで日本人の作家が、外国を舞台にした外国人しか出てこない歴史小説なんか書くわけ?」
有名文学賞の選考委員をつとめる大御所作家が、そんな偏狭かつ愚かな文学観を恥ずかしげもなく開陳するような国に生まれたこと、

それが佐藤亜紀さんのそもそもの不幸といえましょう。
もし、佐藤亜紀がイギリスに生まれていたならブッカー賞を、フランスに生まれていたならゴンクール賞を、

イタリアに生まれていたならストレーガ賞を、アメリカに生まれていたなら全米図書賞かピューリッツァー賞を、

つまり名だたる文学賞を受賞したやもしれぬ、それほどの器であるにもかかわらず、日本の文学界はほぼ黙殺。

出版業界に有象無象と存在する才能の遇し方を知らない失礼かつ厚顔無恥無知な連中によって、

佐藤さんは長らく不当な扱いを受け続けてきたと、トヨザキは考えます。
深い教養と知識に裏打ちされた物語構築力の強靱さとしなやかさ。硬質でありながら同時に甘やかでもある独特の文体。

美貌の麗人から小悪党まで作品世界の中で活かし生かす人物造形の妙。

時代背景や登場人物が置かれている状況あるいは心理を、立ち止まって“説明”するのではなく、

1行1行連なっていく運動体としての文章の中に巧みに織りこんで読者に伝える技巧。

主に17世紀から19世紀にかけてのヨーロッパを舞台にした知的興奮を呼ぶ無類に面白い物語の中に、

現代の世界と日本が抱える諸問題を浮かび上がらせる眼差しの奥行きの深さ。

わたしにとっては、佐藤さんは小説に求める魅力のすべてを持ち合わせた作家なのです。
佐藤亜紀さんが初めて自作を朗読する場に「本の場所」を選んでくださったことが、コーディネーターとして嬉しくて誇らしくてなりません。

ファンの皆さん、この機会を逃したら後悔必至。席が少ない会場です、ご予約をお急ぎください。(文責・豊崎由美)

美術のおまけ

開催日時

2016年7月16日 土曜日 18時開演(17時開場)

ゆっくり展示美術をご覧いただけるよう、1時間前の開場です。

お知らせ

佐藤亜紀「吸血鬼」朗読会、多数の予約お申込みをいただきました。予約受付を締め切らせていただきます。

ありがとうございました。

 

なお、予約を取り消される場合は「ご感想・その他」にその旨記入し送信してください。