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2022年3月21日(月)

古川日出男(ふるかわ・ひでお)

1966年福島県生まれの小説家、朗読家、劇作家。

1994年、『砂の王(ウィザードリィ外伝)』で小説家として活動を始めたが、公式デビュー作は1998年発表の『13』(そのあたりの事情は furukawahideo.com/taidan/ を参照)。

2002年、『アラビアの夜の種族』で第55回日本推理作家協会賞と第23 回日本SF大賞を受賞。

2006年、『LOVE』で第19回三島由紀夫賞を受賞。

2015年、『女たち三百人の裏切りの書』で、第37回野間文芸新人賞(なぜ野間文芸賞でなかったのか!)を受賞。同作で翌16年には第67回読売文学賞小説部門も受賞。

2006年に入っては「朗読ギグ」と呼ばれる自作を朗読するイベントも積極的に行っており、2011年の東日本大震災以降は宮澤賢治の作品を下敷きにした鎮魂のための朗読ライブを、詩人の管啓次郎、音楽家の小島ケイタニーラブ、翻訳家の柴田元幸とともにさまざまな場所で展開した。

2015年には、書き下ろし戯曲『冬眠する熊に添い寝してごらん』が蜷川幸雄演出で上演され、小説家デビューする前に力を注いでいた演劇人としての活動も再開。

2021年、初となるルポルタージュ『ゼロエフ』を上梓。2020年の7月23日から8月10日まで、および11月末に、福島第一原発がある浜通りと出身地の郡山がある中通り、原発事故の影響が及んだ宮城県南部まで360kmを歩き、被災地の人々の声と思いに耳と心を傾け、日本の過去と未来についての思索を深めた。

2022年1月、古川訳の『平家物語』を底本とした山田尚子監督のアニメ作品が地上波で放映開始。

と、経歴を概観しただけでも、古川日出男という表現者のマルチタレントぶりがわかるのではないでしょうか。しかも、スケールが大きい。

今でも「なぜ授賞しなかったのか!」と憤懣やるかたない第133回直木賞候補作『ベルカ、吠えないのか?』をはじめ、『ロックンロール七部作』(2005年)、『聖家族』(2008年)、『南無ロックンロール二十一部経』(2013年)、『女たち三百人の裏切りの書』(2015年)、『ミライミライ』(2018年)、『木木木木木木 おおきな森』(2020年 「木木木木木木」は森の下に木が三つが正式表記)などなど、テーマ的にも分量的にもメガサイズの長篇を発表。多くの作品がプロットやストーリー、人物造型、構成、語りに技巧が凝らされているため、せいぜいが800字から1200字程度のスペースしか与えられない雑誌や週刊誌のレビュアーにとっては、紹介するのが難しい小説家筆頭なのです。

にもかかわらず、不肖トヨザキは時に枕(になるほどぶ厚い)本とも称される古川作品の多くを紹介し続けてきました。なぜか。単純な理由です。面白いからです。わたしが見たこともない世界を、光景を見せてくれるからです。読んだ後、世界を見る眼差しを変えてくれるからです。小説というジャンルの表現の自由度の高さを再認識させてくれるからです。多くの読者に手渡したい傑作だと信じたからです。

新型コロナウイルス禍で、「本の場所」の活動もままならず、今回は1年ぶりの開催となります。世界中を脅かしているこの災厄の時に、古川日出男さんの朗読会を開くことができるのは「吉兆」と思う自分がいます。これまでに行われてきた古川さんの朗読イベントに参加したことのある方ならうなずいてくれると思うのですが、「言霊」を宿しているとたしかに感じられる古川さんの声で発せられる言葉の数々には、新型コロナウイルスを祓うことはできなくとも、この時勢で鬱々としがちな心を浄化する力があるとわたしは信じる者です。

久しぶりの「本の場所」の朗読会、余裕をもったスペースで皆さんをお待ちしています。是非古川さんの声を聴きにいらしてください。

 

(文責・豊崎由美)

開催日時

2022年3月21日 月曜日(祝日) 18時00分開演(17時45分開場)

お申し込み多数となりましたので、締め切ります。ありがとうございました。

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