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2020年9月5日(土)

東大の中でもおとなしい文学部。理系とくらべたら予算規模は「ゼロの数が二つか三つ少ない」。学内政治の嵐ともほぼ無縁です。教員は日々、キャンパスの美しい木々や岩や水を嘆賞しています。
しかし、今回ばかりは黙っていられませんでした。すでに社会に蔓延しつつあった「ことば」に対する誤解、無理解、鈍感さ。これがいよいよ教育の現場にもおよび始めたのです。
「これは、ほんとうにやばい」。
発端は「論理国語」なる科目の誕生でした。あらためて確認してみると、「え?」と驚くべきことが進行している。「論理」「実用」「読解力」といった概念が歪んだ意味で使われ、奇妙な教育政策が進みつつあったのです。
ふだんはおとなしい文学部が、哲学や文学、語学の知見を生かして、少々声を大きくして語る本です。
(文責 阿部公彦 東京大学文学部・教授 専門は英米文学。英語教育や日本文学についても発言)
美術のおまけ
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